江戸のお笑い2

2009/07/26

丑の刻に、おどろおどろしい格好をした男が、神木で何かをしている。

それを神主が見つけ、気色悪いとは思いながら


「神木で、何をしておる。」

「うわっ、ビックリした。丑の刻参りに、決まってんだろ。丑の刻なんだから。」

「おいおい、モグサなどで何をするんだ。」

「恨みに思っているやつを、呪うんだ、決まってるだろ。」

「やめろやめろ、そんな事。おいおい神木に灸を据えてどうする。五寸釘だろ、五寸釘。」

「もう、うるさい、放といてくれ。呪う男は、糠(ぬか)屋で釘が効かないんだよ。」

「ばーか...」

2009/07/27

仲間(武家の奉公人)が、寒い夜に使いに出た。そこに、向こうから甘酒屋がやって来た。

一杯6文の甘酒を、無性に飲みたいと思って、懐の銭を数えて見ると5文しかない。

「ええい、ままよ、ごまかせ。」と思い、甘酒を飲んだ。

「さぁ、銭を払うぞ、手を出しな。それ1文、 2文、3文。今何時だい?」

「四つ(午後10時頃)で、ごぜぇやす。」

「5文、6文。ありがとよ。」

「あれ?何がおがじい...???」


2009/07/28

美しい娘と若い者が話をしている。

「おめえの前で、言うんじゃねえが、俺は、大変な

 女嫌いさ。一生女房なんか、持たねえよ。」

「うそや。」

「ウソなもんけぇ。」

「あら、うちもきつい男はん嫌いや。一生、亭主なんかいらへんわ。」

「おいおい、気が合うじゃねえか。どうでえ、いっそ夫婦にならねえか。」

「...」

2009/07/29

料亭の築山のすぐ上の座敷から、遠眼鏡で回りを見ればいろいろ面白い事がある。

北の方を見ると、綺麗な二階座敷に、美しい男女がむつみ合っている。


姿は見えるけれども、話が聞こえてこない。もどかしくなって、遠眼鏡を耳に当てた。

スケベなのぞきの気配を気づいたのか、二階座敷の障子が閉まった。

「あれっ???」




2009/07/30

「有卦(幸運な年回り)に入れば、ふの字の付いたものを、七つそなえる。」


と言う事を聞きつけて、友達に向かい

「おい、おりゃの、今年有卦に入ったからの。ふの字を七つ用いた縁起の

よい物を、誰かに書いてもらおうと思うんじゃ。聞いてくれ。」

「あー、忙しいのに...言ってみねぇ。」

「さあ、いうぞ。ふっと思いついて、ふたりづれでふらふら出かけて、ふねに乗って、

ふか川へ行って芸者をふたり上げた。さあどうだ、いいじゃろう。」

「一つ足んねぇだろう、この野郎。」

「何と鋭い、ふられた。」

2009/07/31

「あの音は、誰じゃ。」

「ああ、あれか?あれはとなりの息子の

 こつづみの稽古だよ。」

「あらら、長いこと小鼓を習っているのに

 もう大鼓に昇格しても良さそうなのに...。」

「そうじゃのう、えっ!」



2009/08/01

「いたた、この頭痛が直るんなら、十両出す。」

「本当かよ、それならいい方法があるぜ。一生頭痛

 に掛からない方法だ。」

「どうするんだ、早く教えろ、友達だろ。」

「箱根に湯治に行け。そこの滝の湯におめぇの

 馬鹿頭をよ、叩かせれば一生頭痛とはおさらばよ。」

「それは、いくらかかるんだ。」

「十両程で、済むさな。」

「もっと強く頭痛がしても良い、今十両欲しい。」

「何考えてんだ、このーっ。」